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暖かでかしこい楽しい筋肉をまとおう

更新日:2020年11月26日






先の22日、日曜は「小雪」でした。


12月7日の大雪を過ぎれば、21日に冬至を迎えます。


陰が極まり、少しずつ陽に転じる。


つまり、暗いのはもうおしまい。日照時間が少しずつ長くなります。



さて、立冬に投稿しました、「温かく過ごす」こと、実践されていますでしょうか。

実践してみると、温かいというのは、動こうと思ってから、実際に動き始めるまでが早いことに気づかれた方が多いと思います。

寒さというのは、身体の感覚の訴える、緊急なメッセージです。放っておくと(おおげさに言えば)死に直結しますので、寒さを感じると、人間は他のことをしていられなくなります。まず、温かくすること。それが、生き延びるために、わたしたちの先祖が何より先に学んだ大切なことでした。


寒くなると、体温の放熱を防ごうと、毛細血管が縮まります。末端の血流が悪くなると脳内の血流もゆっくりになります。脳内の血流がゆっくりになれば、脳の働きも悪くなります。つまり、動くのが億劫になります。


脳の働きが悪くなれば、全身の多くの器官の働きが悪くなり、精神的には、いらいらしたり、落ち込んだり、無気力になったりします。自分にも、他人にもやさしくなるのは難しくなります。肉体的には、冷えはもちろんのこと、便秘や頭痛、肩こりや腰痛などによる、全身からの「滞っているのでのでなんとかして!」というメッセージが届くようになります。


こうしたすべては、まずは、身体を温めることで改善されていきます。


そのためにも、衣服と暖房で、わたしたちは、わたしたちをしっかり温かく保ちましょうというのが、「立冬」の趣旨でした。


ごく、当たり前の話と思われる方には、長々とすみません。でも最近、こうした、以前であればどなたでも体感として当たり前だった話が、そうでもなくなってきている気がします。あまりにも頭の中の情報が多いのでしょう。


だからこそ、どうぞ続きを読んでください。「当たり前の話」ですが、よりよい情報が入ると、それだけで身体もよくなろうとしてくれます。


さてさて、 「温かくすごす」ことが大切とはいえ、わたしたちは、ずっと暖かいところにぬくぬくと居続けるわけにはいきません。


日本の本土では、温暖化にはあっても、凍えるオリオン座を見上げ、滑る路面に注意して、北風に背を向けて襟を立てることなしに冬を越すことはできません。温暖湿潤の、お米を食べるアジアの国々において、雪が降るというのは“極端な”寒さです。(少なくとも、インドで「日本のような”エクストリーム”な場所」と言われたことがあります)


こうした寒さから、わたし達を守ってくれる、一番頼りになる防寒具はなんでしょう。



もちろん、下着も、セーターも、コートも大切ですが、何より大切なのは、そう、「筋肉」です。



筋肉は、わたしたちを動かして、運んでくれるだけにとどまらず、ただじっとしていても、代謝が高いので熱を産出して、わたしたちを温めてくれます。いうまでもなく、動けばさらに、温かくしてくれます。


冷え性の人には皆さん、経験があると思います。寒くて凍えているとき、身体の大きなひとが薄着で平気な顔をしていてうらめしく感じたこと。


ただ身体が大きいというだけで、モノとして、水分をよく含むわたしたちの身体は、よく熱を蓄えます。水は非常に比熱が高い。熱を蓄える能力が高いのです。


そして、水をよく含む身体の組成の中でも筋肉は自らを温めるので、持ち運ぶのに、着込むのにちょうどよいのです。暖かく、さらには、姿勢をよくして、頭脳の働きも高めてくれる。そう、魔法のようなコートとも言えます。さらには、それを蓄えていく際に、注意して行うことで、自分の不調や、考え方のくせ、改善していきたいことをよくしてくれます。そのものは脂肪よりは重いのですが、他を支えてくれるので、非常に軽く、全身のバランスを悪くすることがありません。


逆に、脂肪を蓄えると、もちろん温かいのですが、そのものが熱を発することはないし、重いし、着込むことで、身体のバランスが悪くなります。


着込むであれば、だんぜん、筋肉、ですね。


そして、その筋肉をまとう際、よりよい方法があります。


それを着こむとき、つまりは、筋肉に負荷をかけて運動をするときに、少しずつ、丁寧に、意識をしながらそこを動かすことです。


大きな負荷を、速い速度で、一度に行う運動量を多くして行えば、すぐに筋肉はつきます。(およそ数か月で変化がでてきます)俗に、「筋トレ」と言われる運動です。


でも、そういった筋肉は、まとっていても、あまり快適ではありません。もちろん、ないよりは暖かいのですが、時に、関節などのバランスを崩して、痛みを伴ったり、維持をするのに心理的なストレスがかかったりします。


もちろん楽しんでできるうちはいいのです。


でも、「筋トレをしないといけない」・・という強迫観念に駆られてしまっている人、心と身体のエネルギーを浪費してしまっている人も多いと思います。


一日のうちの、限られたエネルギーです。忙しい人は、さまざまに使わないといけないのに、着るもの(身体としてまとうもの)に、そんなにエネルギーと時間を費やしては、残りの大切なものがおろそかになってしまうのではないでしょうか。


それに比較して、非常に洗練された方法で、効率よく、賢い筋肉をまとうことができるのがヨーガです。自分の内に聞きながら、身体を動かしていくので、無理がありません。(指導者の未熟さによって、あるいは、無理をさせてしまうことはあっても)


そして、ゆっくり、丁寧に動いて、時間をかけて(通常は年単位で)身に着くので、そうした動きが習慣になります。次第に、指導者につかなくても、自分でそのように動けるようになります。


骨盤から、脊椎、胸郭、頭蓋のあるべき位置が、神経に染み込んでいますので、その姿勢が、当たり前になります。


さらには、心地よく、身体をほぐしながら行うので、心理的な抵抗なく行えます。辛い思いをして身につけた筋肉は、その動きのなかに、「辛かった」という記憶がよみがえります。楽しく、心地よく身につけた筋肉は、その動きのなかに「楽しい、心地いい」という記憶がよみがえります。


習慣は第二の天性と言われますが、その身体のうちに、自分のなりたい自分を実現することができるようになります。それが、見た目だけでなく、内面からそのようになれるのです。



動くのが、楽しい。だから、周囲から見ても美しい、無駄のない、その人らしさのにじみ出た動きになります。


もちろん、「筋トレ」とくらべて、効果が実感できるには時間はかかるでしょう。


でも、それはどこにも行かない、一生の財産として、いつまでも温かく、自分に残り続けます。



おさらいをします。



暖かく過ごすことで、動きやすくなる、


動くことで、筋肉がつく。


筋肉がつくと、さらに温かく過ごせる。


そうすると、心も身体も安定して、より楽しく、美しく、楽しく過ごせる。



小雪から、大雪を過ぎれば、もう冬至。正月をまたいで、小寒、大寒と頑張れば、もう立春になります。


まずは、この小雪から、ヨーガで、少しずつ温かく過ごしましょう。


そうそう、もし冷えている方がいらっしゃれば、まず朝に動くことをお勧めします。一日暖かくいられますよ!



今号も長々と最後までお読みくださりありがとうございました^^



参考資料

(「人の体温調節反応」近藤徳彦)



(冒頭の動画は、この秋の夕方、長いドライブの果てに、砧公園に着いて、つい、三角のポーズをとってしまったところを、つい、携帯で撮ってしまいました。セルフ動画で、お見苦しいのですが、よい写真が見当たらずアップいたしました。腰のストレッチとして行ってますので、少し動きが速いですね。少し筋トレもしたい場合は、もう少しゆっくりがよいかも分かりません。どうぞご無理なく、足がすべらないように行ってください。そうそう、下半身の筋トレで一番よいのは、歩くことです。歩数を少しずつ増やすことで、温かい身体になれます)




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