この時期の過ごし方 大雪
先の7日(月)が大雪、でした。
いよいよ寒くなってきて、いよいよ、(新暦の)年の瀬で、寒さと忙しさが相まって、近代以降の日本の「師走狂騒曲」の始まりの感のある候です。
いろいろな場所で何度も書いていますが、明治の5年までは、旧暦の正月を祝いましたので、この寒くなる時期と、年越しは順序良く来ました。だから、このような狂騒感はなかったものと思われます。
大雪 ⇒ 冬至 ⇒ 小寒 ⇒ 大寒 ⇒ 立春(旧正月)ですので、ここからおよそ8週間先が、正月なのでした。だから、ちゃんと寒さに慣れて、1月の後半から2月の初旬、少しずつ明るくなってきた 頃に、「明けましておめでとう」と、心から正月を祝えたのです。
それが、明治政府が西暦を取り入れた明治5年の12月2日の、その翌日、一夜明けただけのその日が明治6年の元旦となったのでした。季節でいえば、まだ小寒を迎える前の、まだ暗く、寒さもこれから時期に、「年が改まったから」と、まさに頭ごなしに祝わされているのが、近代以降の日本の正月ということになります。
あまりめでたくない祭りのために、この寒い中、頑張って準備をしないといけない。わたしたちの内に、どこかそんな意識があるのだと思います。
そこに去年までは、忘年会が予定されていました。
寒さは乾燥とともにやってきます。そして、忙しさは、食事と睡眠のリズムをむしばみますので、胃腸が疲れます。
その上での忘年会。「狂騒曲」が盛り上がってしまうわけです。
胃腸の内壁のひっくり返ったのが、皮膚ですので、この時期は皮膚が悲鳴を上げているという方が多くなります。
皮膚は、他の人との境界を隔てるものです。胃腸と皮膚とにトラブルがあると、周囲の人ともトラブルを抱えやすくなってしまいます。
すると、狂騒曲がますます盛り上がってしまうことになります。
このように考えると、こうした狂騒曲に巻き込まれないようにするには、どうしたらよいのかが分かってきます。
・消化に良い暖かい食事を、定期的に、よく噛んで食べる。
胃腸の負担をできるだけやわらげてあげましょう。冬野菜のおいしい時期です。シンプルな味付けで、適量をいただければ胃腸が元気を取り戻します。ボリュームが足りなければ、油で揚げて、油脂分を補うのもよいと思います。
・食後に白湯を一杯、ゆっくり頂く
締切ばかりで忙しいときは、どうしても食べることで気持ちを緩めたくなりますが、そこは少し我慢して、食後にゆっくり、一杯の白湯を飲んでみましょう。
欲していたのは、甘さではなくて、ほっとした時間だったということかも分かりません。
・りんごやみかんを食べよう
この時期に、おいしいリンゴやみかんが店頭に並ぶのは福音としか言いようがない気がします。リンゴは胃腸の働きを助け、皮膚に潤いとつややかさを与えます。みかんも繊維質が豊富で、いらない脂を身体から流しだして、お通じをよくしてくれます。
・なにより潤いを
胃腸に余裕が出てくると、皮膚も潤ってきますが、まずは手っ取り早く、油脂分で保湿をしてあげましょう。皮膚がつるつるになると、気持ちにも余裕が出てきます。
・シャバアーサナを日常に
友永ヨーガ学院では、12月に必ずシャバアーサナをテーマにしています。2-3分でも、頭の中、胸の内、腹の底にあるものすべて、すっかり床にあずけてただただ休む!一日に何度でも行いましょう。シャバアーサナの威力が発揮されるのがこの時期です。
・疲れそうな会合には欠席しましょう
今年はコロナのおかげで忘年会がありません。飲食店には気の毒ですが、また別の機会に少人数で利用しましょう。その人の性格にもよると思いますが、少人数で落ち着いて食事をしたほうが、胃腸には楽だと思います。
・朝ヨーガを活用してみる
朝に身体を動かすことで、その日一日のリズムが出てきます。また早起きができるので、一日の時間もより有効に使えると思います。日没が早い時期、追われるように仕事をすると疲れてしまいます。ヨーガをせずとも、朝少し頑張って早起きをするだけでも、気持ちの余裕が違ってきます。
こうした、物理的な潤いを自分にきちんとあたえていると、精神的にも潤って、自分らしさが戻ってきます。
すると、狂騒曲はおのずと鳴りを潜め、より豊かなハーモニーを生きることができるようになるのではと思います。
あるいは、このコロナ禍というのは、明治5年以来、およそ150年ぶりに、そのように私たちが潤いを、ハーモニーを取り戻すチャンスなのかもしれません。
つまり、年末年始のお休みは、お付き合い程度にお休みをして淡々とすごし、旧暦の正月(来年の2月12日)に、年神様をお迎えするお祝いをしてみるのはいかがでしょう。
このように過ごすことで、免疫力を高く保つ効果も期待できます。
今年は年末年始、朝ヨーガはお休みなしで開催の予定ですので、どうかお役立てください。
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