この季節の過ごし方 2022年(令和4年)立春
立春大吉
明るく、日が長くなりましたが、朝晩はやはりまだまだ寒いですね。
暦の上では春ですが、「春」という言葉を盲目的に信じてはいけません。
春は、やさしいですが、時に手厳しく裏切られます。
そう、三寒四温がやってきます。
日本は大きな陸のへりにある、大洋との間の島国。
温かい海の湿った空気と冷たい陸の乾燥した空気が、行ったり来たりします。
冬から、春へ、あるいは、夏へ一直線ではありません。ぐんと進んだり、停滞したり、戻ったり。
この春の乗り越え方はそれぞれですが、昨秋から少しずつ筋肉を蓄えてきた皆さんには修行の成果が発揮されます。
まず、皆さんには信頼できる筋肉があります。
暖かくなると、ふんわり緩むことができる。
動いていると暑くなるくらいの陽気になる春は、汗をかくことが大事。わたしたちのヨーガでつけた筋肉は、ぎゅうぎゅう頑張ってつけた筋肉と違って、感度よく、汗をかくとき、緩むとき、そしてきゅっと熱を逃がすまいとする時を知っています。
寒暖は実際には、神経が知らしめてくれますが、神経を鍛えるのは、筋肉と連動した動きと、それを感じ取る訓練です。わたしたちはそのことに、しっかりと時間をかけてきました。何より、それを楽しんできたのです。
だから、自分の感覚に正直であってください。
寒くなったら着込みましょう。暑くなったら脱いで、汗をぬぐいましょう。「春だから」と言葉を信用しすぎないように。
そして、呼吸があります。
気温が上がり、視界にカラフルなものが増え、梅だ、桃だ、桜だと騒いでいるうちに、陽気にあてられたようになってしまうことがあります。
もちろん、誰もが多かれ少なかれ陽気を頂いて元気になるのですが、陽気に持ち上げられ過ぎて、いわゆる「ハイ」(High)になった状態が収まらず、本人もそれに気づけない時があります。
そんなときは、「春だから」と、ぽーんと普段とらないような行動をとってしまったりする可能性が高い状態です。肩が上がり、呼吸が浅く、心の働きが速く激しい時です。
そういう時は、もう皆さま、ご存知ですね。
ナディーショーダナ、ブラーマリー、シートカリー、あるいはウッジャーイ。ゆっくりした呼吸を行います。その時にぴったりの呼吸法があるはずです。
自分の心は、自分の心でどうにもこうにもできません。
動きの速い状態の心に向かって、「焦るな!」と言っても、その「焦るな!」も心ですので、動きが増幅されて、さらに心の動きが速くなってしまいます。
心は、ただ見てあげることで、その動きがゆっくりしてきます。
子供は一緒に遊ぶと喜びますし、叱るとおびえます。でも、見ていてあげると安心します。
心も同じです。
その心のあらわれが呼吸です。
どんな呼吸をしているのかを見てみて、どんな呼吸がよいのか、自分で選んで、呼吸がどんな風に変わったかを見てみましょう。
あとは、その心がいろいろ、教えてくれます。
食べ過ぎては春の楽しい気分がどこかへ行ってしまうこと。
十分に休まないといけないこと。
こまめにうごいて汗をかくと心地よいこと。
暖かい間、外にでるとそこは天国であること。
静まった心には、春を楽しむ方法が無尽蔵に詰まっています。
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